絵本太功記十段目 尼ヶ崎閑居の場
(えほんたいこうきじゅうだんめ あまがさき かんきょのば)
主君・小田春永から辱めを受け、武智光秀は六月二日京都本能寺で謀反の決起をし、春永は自決する。これを知った真柴久吉は、急遽対峙する高松城主を切腹させ、小梅川(史実では小早川)と和睦すると光秀討伐のため京に取って返す。
舞台は尼崎閑居の場
尼崎の閑居に住む武智光秀の母・皐月のところへ光秀の一子・十次郎が出陣の許しを請いに訪れていた。折しも光秀の妻・操が十次郎の許嫁・初菊を連れてきた。謀反人を子に持つ母と、夫に持つ妻は、互いにわが身の因果を嘆いていた。今生の名残に十次郎と初菊は祝言の盃を交わし、十次郎は討ち死にを覚悟で出陣していく。
旅の僧が一夜の宿を乞うて閑居へ来る。その後をつけてきた武智光秀は、この僧こそ正しく真柴久吉と見抜き、彼を討ち取ろうと竹槍でふすま越しに一突きするが、槍にかかったのは久吉ではなく母・皐月だった。皐月は苦しみながら我が子・光秀の不義不忠を嘆き諫める。妻・操の「これ見たまえ光秀殿・・・せめて母御のご最後に善心に立ち帰るとたった一言聞かせてたべ」と哀願するくだりは、最大の見せ場である。
そこへ深手を負った十次郎が帰り、味方の戦況の不利を伝え、父の身を気遣いながら息絶える。皐月の「アレあれを聞きゃ嫁女、その身の手傷は苦にもせず極悪人の倅めを大事に思う孫が孝心。ヤイ光秀、子は不憫にないか、可愛いとは思わぬかヤイ」と光秀を責める。
進退窮まる光秀の前に、武将姿の真柴久吉が現れ、後日天王山で相まみえることを誓い、光秀を見逃し去っていく。
出演者
武智十兵衛 光秀 | 新川 智也(ともや) | 中1年生 | 新川 伸也 | (二男) | |
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操 (光秀妻) | 足立 華菜(かな) | 4年生 | 足立 佳之 | (二女) | |
皐月 (光秀母)・真柴筑前守 久吉 | 足立 夏渚(なな) | 6年生 | 足立 佳之 | (6年生) | |
武智十次郎 光義 | 山口 礼葉(さちは) | 中1年生 | 山口 勝 | (三女) | |
初菊 | 新川 紬生(つむぎ) | 3年生 | 新川 隆司 | (長女) |
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当番町:下町
軕:鳳凰軕